第3章 どうやら歓迎されていないようです

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 この状況をみて、わたしは呆気にとられたけれど。  はっと気がついたとたんに、わたしは凪先輩へ向かって怒鳴っていた。 「ちょっと、これ、どういうことですか? 凪先輩が仕組んだってことですかぁ?」 「馬鹿者。そんな面倒なことをするものか」  わたしの言葉をあっさり切り捨てたあと、凪先輩はぐるりと教室内を見まわす。   ふたたびわたしへ視線を向けると、つかつかと近づきながら呆れたように命令した。 「パソコンを元に戻して、椅子の上から降りろ。まったく。女の子として椅子の上にあがるなんて、恥ずかしくないのか?」 「仕方がないじゃないですか!」  わたしは頬をふくらませながら、デスクトップを元の場所へと戻す。  幸いコードは長かったようで、床上にとめているテープがはがれただけで断線はしていないようだ。  そして、そばに立った凪先輩へ、わたしはふくれっ面の顔を向ける。  すると、椅子の上から見下ろされるという構図が癇に障ったのだろうか。 「さっさと降りんか!」  低く叫ぶやいなや、凪先輩はわたしの乗っている回転椅子の背に手をかけると、全体重をかけるように一気に椅子を回した。 「きゃあ~!」  視界がぐるぐると回る。  振り落とされないように、わたしは椅子の背にしがみつく。  ようやく椅子の回転が止まり、床の上へおそるおそる降りたったわたしは、まっすぐに立てなかった。  ふらふらと床の上にへたりこむ。  凪先輩が大げさにため息をついたとき、教室のドアの陰から、ひとりの男子生徒が姿を見せた。
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