第3章 どうやら歓迎されていないようです

10/31
前へ
/249ページ
次へ
「――彼も、メンバーなんですよね?」  ようやく落ち着いたわたしは、確認するように凪先輩へと問う。  しかめっ面の表情を浮かべたまま、ゆっくりと凪先輩はうなずいた。 「二年の留城也(るきや)だ。電子や電気仕掛けの機械など、電気系統を支配する能力を持っている。生まれつきの体質だそうだ」  その言葉を聞いて、わたしはピンときた。  腕時計の秒針が止まっていたのは、きっとそのせいだ。  わたしの親戚にもそのような体質の人がいて、すぐに狂ってしまうから腕時計を身につけられないって言っていたのを聞いたことがある。  妙に納得してうなずくわたしへ、凪先輩は、少し考える顔をしながら続けた。 「それから、留城也は女性嫌いというより、人間そのものを信用していない。彼が信じるモノは自分の思い通りに動く機械だけだ。きみだから冷たい態度をとったわけではない。まあ、なんだ――彼の言動に関しては気にするな」  わたしは、思わず凪先輩の顔をまじまじと見つめる。  もしかして、わたしに気を使ってくれているのだろうか?  けれど、あまりにも見つめすぎたせいか、凪先輩はみるみる不機嫌そうな表情になった。
/249ページ

最初のコメントを投稿しよう!

86人が本棚に入れています
本棚に追加