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「たぶん凪先輩は桂ちゃんに対して、最初にくるであろう実技試験の対策をしていたんでしょ? だからオレも協力したんですってば」
「え? 最初? 試験って、この一週間のあいだに一回だけ受けるんじゃないんですか?」
思わず声をあげる。
困ったような凪先輩の表情を見ながら、紘一先輩は笑顔のままでわたしに告げた。
「残念ながら、桂ちゃん。適性をみるための試験は何回かあるんだ。試験の内容を教えられないけれど、練習とかあれば、オレでも付き合ってあげることはできるよ」
そうだ。
紘一先輩も留城也先輩も去年、試験をクリアしてメンバーになっているんだ。
さっきのことも、全部わたしのためを思ってしてくれているのなら、ここはお願いするべきところだろう。
留城也先輩と違って、紘一先輩はわたしの試験に対して好意的に思ってくれている気がする。
「よろしくお願いします」
そう言って頭をさげると、紘一先輩は、挑むような目で凪先輩を見た。
凪先輩は、仕方がないというように、黙ったままうなずく。
「やったね! それじゃあ、オレは先に留城也のところへ行くよ。彼にも協力するように言っておかなきゃならないもんな」
満足そうに叫んだ紘一先輩は、楽しそうに図書室から駆けだしていく。
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