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「――きみから見て、紘一はどんな人物に映っている?」
そのまま図書室へ残っていても仕方がないため、戸締りをした凪先輩とともに生徒会室へと向かう。
その途中で、凪先輩は前を見据えながら、ささやくように訊いてきた。
「――そうですね。人の心が読める能力だなんて、びっくりです」
正直に、まず最初に思ったことを口にする。
「それから、やることは突拍子もなかったですけど、親切そうで、性格も良さそうですよね。あと女の子に甘い感じがします。話し合いの余地もない留城也先輩よりも、うまくやっていけそうな気がしますけど?」
凪先輩がわたしの言葉をとめる様子もなく黙ったままなので、続けて思いついたことを言葉に出す。
すると、凪先輩が大きくため息をついた。
「紘一は、こちらが思ったことを読める。だから、あまりきみには最初から、彼の情報を教えないほうがいいかもしれない。良い印象も悪い印象も」
含みがある言い方。
いつものような、わたしをからかうための、もったいぶった雰囲気ではない。
「そんな風に言われたら、もっと気になりますけど!」
「ああ、そうだな」
わたしは上目づかいになって不満そうに言うと、凪先輩は、そのまま黙りこんだ。
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