第4章 いきなり試験に突入です?!

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 どのくらい経ったのか、もうわたしの感覚が麻痺してわからなくなったとき、急に宮城先生は、いままでにきいたことのないような優しい声をだした。 「あなたが嫌いで、こうやっていじめているんじゃないの。メンバーに選ばれることがどういうことかって、教えてあげているのよ」  その声に、まったく動けなかったわたしは、ぎこちなく顔をあげて先生を見上げた。 「木下さん。もし、あなたがメンバー試験を辞退するなら、いますぐ解放してあげるわよ」  急に腰を落とし、わたしの視線の高さまで自ら目を合わせてくると、先生はわたしの耳もとでささやく。 「恥ずかしくない点数だったけれど一歩及ばずって内容で、上には報告してあげるわ」  無意識に、わたしは先生の目を見つめていた。  宮城先生のその瞳には、先ほどまでの馬鹿にしきった光が消えている。 「辞退の仕方は簡単よ。プリントに書いたあなたの名前の下に、辞退しますってひとことを書くだけ。急に漢字が思いだせないのなら、ひらがなでもいいわ。ほら、簡単でしょう?」  心の底から、わたしのためを思って言っているような口調で続ける。 「楽になるわよ。辞退しますって書いちゃいなさい。本当はメンバーになりたくないって聞いているわよ。ここでリタイアしても誰も怒らない。逆に引き延ばされるほうが、周りに迷惑をかけるわ。それに、もしメンバーになったら、何度でもこんな目に遭うわよ? あなたも、わざわざ辛い目に遭うこともないでしょう?」
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