第4章 いきなり試験に突入です?!

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 教室から宮城先生の姿が見えなくなったあと、わたしは力が抜けたように、椅子へと座りこんだ。  そのまま机の上に両手を伸ばしてつっ伏す。 「終わったぁ。どうにか終わった。でも、これがあと何回かあるんだ……」  わたしの言葉の最後が、消え入るように小さくなる。  脱力しているわたしのそばへ、スキップするように紘一先輩が駆け寄ってきた。 「やったね! 桂ちゃん。この調子で、どんどんクリアしていこう!」  楽しげな紘一先輩の後ろから、さすがに口もとへ笑みを浮かべた凪先輩がやってきて、言葉を続けた。 「頑張ったな」  凪先輩にそう言われて、わたしは改めて、自分の能力を活かせるように頑張ってみようかなと心に決める。  ならば、やっぱり試験に受かりたい。  そう考えたとき、ドアが開いていた教室の入り口から、留城也先輩がふらりと姿をみせた。
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