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次の日、ナオミはワクワクしながらカレシの特徴を探す。靴もリュックもほとんどの男子学生は黒である。大勢の学生の中から、個人を特定できる特徴を探すのは意外に難しい。何か本でも読んでいれば、イヤホンで何か聞いていれば、と思うが、特別な持ち物は見つけられない。せめて時計が見えないだろうか、がんばって近寄るが時計までは確認できず、その日の特徴探しは収穫ゼロであった。
夜、妹から情報が入った。
「ノブヤの兄ちゃんの名前はユウヤ。ユウヤは成績優秀で、常に学年トップか二位。東大か京大を目指してるらしい。将来の夢は物理学者。好きな食べ物は米。お菓子は食べない。毎晩、午後二時くらいまで勉強してる。」
「そんな凄い人なのか。それじゃ顔が無表情なのもわかる気がする。」
ナオミは、そのユウヤという男子学生は、自分が気になるカレシの可能性が高いように思う。
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