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泣いているミカをバスタオルでくるみ、横抱きにしてバスルームから出た。
ミカの、身体をベッドの上で拭いた。二人とも黙ったままじっと身体を抱きしめあった。
暫くしてミカが言った。
「死なないでよ」
ミカがさらに強く抱きしめてきた。
「ちゃんと死ぬって約束したんだ」
「もう忘れよ。色んな事、捨てちゃおう」
「どういうこと?」
「俺といよう。そうしようよ。」
ミカが恍惚とした表情で甘くささやく。
「もう、考えるのやめてさ、二人でいようよ」
「蓮さん、俺の子供になってよ。溺愛してあげるから。めちゃくちゃ甘えていいからね。」
そんな突拍子もないことを、そうだ、それがいいとばかりに言った。
「何もかも嫌な事忘れさせてあげる」
「どうやって?」
「そりゃ、俺の身体とテクニックを駆使して」
「君の子供になったら、それだと近親相姦になるね」
「いいんだよ。近親相姦でもなんでも、強姦 でも何でもしていいよ、ワガママ全部聞いてあげるから、二人でいようよ」
強姦って……なんでそうなる?
ミカが強く言った。
「俺達今日会ったばかりだよ。どうして?」
「そんな事、どうでもいんだよ。今日会ったばかりとか、恋人が半年前に死んだのにとか、死ぬって約束したとか。だからってどうしなきゃいけないの?そんなの気にしたって役にもたたないよ。生きてなくちゃ何にもできないよ」
ミカは僅かに、怒っているように感じた。
「生きようよ。二人で」
ミカがしっかりとした瞳で見つめてくる。
でも、それは。
でもそれは、彼を俺の中に、見ているだけだろ?
「それは、君が恋人を失ったから?」
トラウマだから?俺が欲しいわけではない。
「愛し合うまでに時間がどの位、時間があれば、良いかは分からないけど。蓮さん、嫉妬してくれるの?」
「な?」
「わからない?いくらトラウマがあるからっていくら俺が、Hが好きだからって好きな人じゃないとできないよ」
ミカが、そう言ってキスをした。
「どのくらい愛しあっているかどうか、今すぐに確かめあいたいよ」
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