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死ぬ事ばかり考えていたのに、二人で生きようと言われただ混乱した。
目の前にいる、ミカは慈悲深く俺の混乱の波が引くのを見つめていた。
「俺に、まかせて、目を閉じて」
ミカが上に乗って愛撫をはじめる。
瞼を閉じる。
心地よい体温と重みを感じる。
「そのままじっとしてて」
下唇を甘噛みされ、歯を割って舌が入ってくる。生き物みたいに長い舌が上顎を這い回る。無遠慮に絡みつく舌に快感が跳ね上がった。
「攻められるのどう?」
「いいよ。すごく」
頬を口唇が這い、耳朶を齧られた。舌が、耳の中に侵入した。ジュルジュルと淫らな音が鼓膜に直接響いて脳まで犯されているような感覚に陥る。
「仕返しだよ」
ミカが余裕たっぷりな笑みを浮かべて言った。その表情が、綺麗な彼にとても似合っている。
「気持ちいいの?」
「うん、とっても」
素直に答える。乳首にミカの舌が触れた瞬間、身体に甘い痺れが走った。両方を舌と指先で嬲られ全身に力が入る。
その刺激は快楽というより苦痛に近い、感覚だった。
「ねぇ、それ辛い、女の子みたいな声が出そう」
たえられずミカの身体を離した。
「蓮さんの可愛い声聞きたいな」
悪魔みたいな残酷な笑顔で言う。
「むっ無理だから」
「許さないよ」
そう言って無慈悲に俺を下に敷き紅く美しい舌を臍に差し込んだ。
「やめっ」
思わず叫んでミカを外そうとするが、力がうまく入らない。臍からその下の屹立したものに快感が直結した。
「ふふっもの凄く素直な身体だね」
奥歯で必死に漏れそうになる声を殺す。
「どう?もう触ってほしいでしょ?」
指の腹で臍からゆっくり下に撫でられる。
「触ってくれないの?」
こんなの拷問と同じだ。
「ここをどうされたいの?」
あっ
俺、言わされるんだ。
谷底に叩き落されるような畏怖を覚えた。
「蓮さんは、どうされたいの?」
逃げたい。拒みたい、でも絶対に
許されない。それだけは分かる。
「ミカさんの」
恥ずかしくて言葉が詰まる。
「俺のなに?」
冷酷な声色。欲望より羞恥が上回る。
「ミカさんの口で俺のお」
「オレノクチデナニ?」
無機質な反芻。
もう、誰か殺して…
「おっ俺の、おっおちんちんをしゃぶってくだっさい」
一気に言い切った。 目尻から涙がつたう。
正解?
死にそう。死にそう。誰か殺して。
「ちゃんとおねだりできたね」
ミカは俺の頭を撫でると、長い口淫がはじまった。
一度、決壊した羞恥の限界をもう制御する事ができなかった。
俺は、人生で経験した事のない、感情失禁をミカの前で晒していた。
「カリが気持ちいいの?」
「うん。カリがいい。吸って」
恥ずかしげもなく言葉が口をつく。
「駄目、それじゃすぐにいっちゃうでしょ」
無情に却下される。
それでも哀願せずにいられない。
「いかせてお願い、くるしいよ」
「全部見せてよ」
根元をせきとめながらカリを吸い上げられる。
「やめてっおねがいっ」
やめてと虚しい懇願しながら、今やめて欲しくない矛盾に魂が翻弄された。。淫らで、どうしうもない身体が忌まわしい。
「もう、いくよ、離してよっ」
その身体をミカが、圧力をかけながらしごきあげ、受け入れる準備をする。腰を両腕で固定され跳ねる腰を押さえつけられる。
「あっあっごめん、汚しちゃうよっはなして」
まるで、女が男に媚びるような、はしたない声を自分の口から迸るのを聞いて、俺の大切にしていた要塞がバラバラと崩れ落ちるような感覚を覚えた。
魂を開放した刹那、性が不随意に放たれた。
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