三角関係

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三角関係

 僕は青春時代をイケてる生徒として過ごし、一流大学に合格し、一流企業に就職が内定している大学4年生。それだけ見れば、順風満帆の人生を送って来たと言えるかもしれない。それに僕には同年で飛び切り器量の良い二人の彼女がいる。傍から見て羨ましがられて当然だろうが、スポットライトを浴びる陰で人知れず悩む大スターのように僕には一般人には持ち得ない悩みがあるのだ。それは二人の美しい彼女らとの関係を恒久に続けたいという絶対不可能な願望から生じる悩みだ。いずれどちらも老けてしまう。しかし、いずれどちらかを選ばなければならない。しかし、いずれ菖蒲か杜若。嗚呼・・・また、二兎を追う者は一兎をも得ずと言うし、虻蜂取らずとも言う。そんな諸々の事を思うと、一通りでなく悩むのだ。  僕は手前味噌ながら美少年だったし口も達者だったから少年の頃から女子にもてる要素を十分持っていた。  女子は男子より思春期に入るのが早いから女子たちが先に僕を異性として興味津々になって意識し出し、僕はそれを小4の頃から意識し始め、やがて女子生徒と戯れるようになった。  それが5年生になると本格化して、それも可愛い部類の子、殊に高田裕美子と青島朋美に興味を持った。二人共、丸顔で細身で愛らしかった。  実は僕の現在の彼女がこの二人なのであって僕ら三人は三角関係にあるのだが、当時、スカートめくりに興じていた僕は、良家の娘でありお嬢様である裕美子に対しては遠慮していたものの朋美に対しては遠慮なくスカートをめくっていた。
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