脱＊セカンドレディー

1章 厄年バースデー

私はガックリと肩を落とし、帰りの電車に乗り込む。周りは今から飲みに行くサラリーマンや友人と楽しそうな人々やカップルが、やたらと目に入ってくる。

なんて、憐れなんだろうって自己憐憫。

そんな風に思うのも、運気悪くなるよね。

柏木弥生、今日で32歳。
本厄に入りました。

そうだ、厄年なんだから、大人しくしてないと波乱だらけになってしまう。

今日も気分転換立ち寄ろう。

そう思って、向かったのは駅前の本屋さんだ。

私は本屋さんになら二、三時間くらい一人でいても平気だ。

そして、向かう場所は、スピリチュアルの本や自己啓発の置かれている棚だ。

店に入って、一番奥の目立たない場所が、私の一番落ち着ける場所。