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1章 厄年バースデー
三月三日。
今日は私の誕生日、ちなみに金曜日。
普通に仕事をこなして、五時半のチャイムが鳴り、私はバッグの中からケータイを取り出し、トップ画をみると、
メール:岡本雅樹
ごめん…今日は……
メールを全部見なくても、内容が始めの部分で全てわかってしまった。
今日は誕生日、ほんの少しの時間でいいから、一目でいいから会いたいとメールしていた返事。
相手は妻子持ちの彼。
でも、家庭内別居同然、愛情はないと言っていた。私もその言葉を信じて早半年。
未だに離婚はしていなくて、私からの誘いにはなかなか応じてくれない。
でも、相手からの誘いを断ると、しつこいくらい会いたいと言ってくるから、愛情があるのだと信じているけど、今日は私の誕生日だよ?
1、2分も会えないってどんな状況よ。
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