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 そのまま勝利した我がT高校は、拍手を受けて会場を後にした。  試合後、真田先輩が私に話しかけてくれた。 「葉山がH高校のスタッツまとめてくれてたから勝てたよ」 「え?」 「H高校は前半から攻めこんできて、後半に失点しがちっていう傾向がわかった。だから、なるべく攻めさせることにして、体力を使わせる作戦が立てられたんだよ。  オレの高校生活最高のベストゲーム。葉山、ありがとう」  感謝なんてされると思っていなかった私は両目から涙が溢れて止まらなかった。 *  そんな大金星をあげた我がT高校は、創部以来初の県大会ベスト8まで進んだ。しかし、さすがにいつまでも快進撃は続かず、優勝校相手に敗れ、夏の大会は終わった。  そこで真田先輩たち三年は引退となった。  先輩たちが引退してからも、私はマネージャーを続けた。もちろん手抜きなんてしていないが、先輩のいない部活はどこか寂しく思えた。  ここに来て、私は真田先輩に恋していることを自覚した。  真田先輩に褒められたくて、何か役に立ちたくて、もっと近くにいたくて頑張ってきたんだとわかった。  ただ、自覚したところで、私と真田先輩がつきあうなんていうことは妄想の中でしかありえなかった。  
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