10.復活

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「俺やっぱり片桐先輩のこと大好きです」 すると青柳は私より大きな声で答えた。 「俺だって大好きだよ。兄貴だからな」 膝の上でギュッと手を握られて頷くと、車が動き始めた。途中で買い物をしたけれど、すぐに私のアパートに到着した。 「こんなに近くに住んでたのか」 「はい」 祖父母の家の跡地で父親と伯父のアパートだと話すと、もしも両親や親戚に会ったらどうするかと聞かれた。 関係がバレたらカミングアウトするしかない。 両親や親戚にどう反応されても、根気よく話し合うしかない。 もう青柳と別れることはないから。 命ある限り共に生きると決めたから。 そう覚悟して、私は青柳を部屋に連れ込んだ。 「へー、ここがキヨの部屋か」 片桐が送ってくれる可能性を考えて掃除はしたけれど、特別オシャレではない部屋を見られると恥ずかしかった。 「何か飲みます? すみません、コーヒーはなくて――」 「そんなのいいから、早くキヨが欲しい。キヨは?」 後ろから抱き締められて、全身の血がざわめいた。片桐に抱き締められた時の喜びとは質が違う。こんな風に体が沸き立つのは相手が青柳の時だけだ。 「俺も今すぐ青柳さんが欲しいです」 「それ本音? 本当はここじゃ嫌だとか思ってない?」 このフロアには他人は入居していない。隣は伯父の部屋だが、東京に来た時に使うだけなのでほぼ空き部屋だ。それを伝えると青柳も安心してくれたが、念の為音楽をかけた。
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