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ジャズ。
心地良く揺らぐ音が部屋を満たすと、昔抱き合ったあの青柳の部屋に戻ったように思えた。
互いを見詰めながら服を脱いだ。
久しぶりに見た青柳の裸は美しかったが――
「青柳さん、痩せましたね」
「ああ。弱いって言われちまったし、鍛えないとな」
「そうですね。でも……」
私は痩せて骨の目立つ体に手を伸ばして尋ねた。
「俺、男性の体の何処が1番好きか言いましたっけ?」
「いや」
そう。橘には教えたけれど、青柳には言っていなかった。言わずに勝手に愛でていた。私はその場所――頚窩に指を埋めて告白した。
「ここ。この首の下の窪み……頚窩が好きなんです」
「ああ、それでよくこの辺り眺めてたのか。キヨ、エロいな」
「すみません……」
「いいけどちょっと変わってるな。まあ俺も嫌いじゃないけど……頚窩より鎖骨かな」
青柳はそう言いながら私の頚窩から鎖骨に指を滑らせた。
「鎖骨が1番好きですか?」
「1番って程特別な所はないけど、好きなパーツは色々あるよ」
洗いながら教えてあげると言われてバスルームに移動すると、青柳はまず私の頬を両手で包んだ。
「顔はもう全部好き。甘すぎずスッキリと可愛い感じが最高」
そう言いながらボディソープを手に取ると、青柳は私の顎から喉、そして鎖骨を通って腕へと手を滑らせた。
「細い顎、喉仏が目立たない長い首、クッキリ浮き出た鎖骨に少年みたいに細い腕。ピアノを弾ける手。キヨの指は長くて綺麗だな」
「あっ」
一本ずつ指を握られると、思わず声が出てしまった。
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