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炬燵で下半身を暖めながら、窓からみえる景色をボッーと見つめている。
この男性は、伊門冬という小説家をしている。
家で雇っているお手伝いの成田が入れたコーヒーを無言で飲みながら外を見る。
最近書き上げた「家」と言う作品の第二部が完成して暇になりこのような状態になっていた。
しばらくすると「うわーー」と伊門が叫ぶ。すぐに成田が「どうしましたか?」と聞くと「寝落ちしてしまった。それで、目が覚めたら真っ白で自分のマフラーが顔に被ってビックリしたよ。」と笑みを浮かべて説明する。
伊門はいつも白いマフラーをしていて首を隠すためにしていた。
成田は「そうですか。」としか言えなかった。
すると、インターホンがなり、成田が玄関に行く。
伊門がいる部屋に成田の後に「おはよう!伊門、元気か?」とでかい声で顔が長い男性が入ってくる。
この男性は、刑事の金村光だった。
伊門は、ときどき警察の仕事を手伝っていてるために、たまに刑事が出入りするのだった。
伊門は、刑事の金村をゆっくり見た。
金村は「ん!今日は、あのでかいやついないのか?」と聞くと成田が「出版社の木田さんですか?木田さんはしばらく来ないと思いますよ。」と言うと「邪魔が入らなくていいな。」と笑顔で言う。
「じゃあ、邪魔が入らないうちに事件の内容いいかな?」と伊門に聞く。
事件の内容
事件とは、誘拐だった。
本田議員の孫娘の、本田花(12)が昨日誘拐されたようだった。
朝から遊びに行っていた花が夜になっても帰ってこないことから、警察に連絡。
本田議員の孫との事ですぐに警察は動いた。
その夜に、動画が送られてきて、花本人が動画に写っており、「一億円用意して!」と言う動画だった。
この話しを聞いた伊門は、「ここからはオラノ妄想だが、その子は多分最初は誘拐ごっこをしていてそれで後になって本当に誘拐されたと思うよ。その犯人は近くの人間だと思う。それで、その人物の家に花さんがいると思うよ。まぁ、妄想だからね。」と言うと刑事の金村が「早くないか?なんもないのに!まぁ、いい。とにかく、近い人間を探すよ。」と言って慌てて出ていった。
その次の日、本田花が見つかった。
犯人は、秘書だった。
伊門が言った通りに、最初は誘拐で両親を困らせようと思ったが一人では出来ずに秘書に手伝ってもらったのだが、本当に誘拐されてしまったのだった。
金村が来て「いや、ありがとうな。」と言う。伊門は「いやいや!」と笑みを浮かべて成田が入れたコーヒーを飲んだ。
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