【台本】年が開けるから

1/1
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/1ページ
男:2 【大晦日番組をうつすテレビ】 祐介:「はぁ。今年ももう終わりか」:しみじみ 秀明:「そうだな。あ、年が開ける前に、お互い隠してたこと話して水に流そうぜ」 祐介:「今年のもやもやを来年に持ち越すことないしな。じゃあさっそく、俺から。お前彼女に振られたじゃん? 実はあれ、俺が寝とったんだよ」 秀明:「はぁっ!? マジかよ……」 祐介:「いやさぁ、スリル求めて1回だけって言ったのに、向こうがマジになっちゃってさ」 秀明:「お前ってやつは……。まぁいい、水に流そう」 祐介:「おうよ」 秀明:「今年の8月、お前の財布から3万円くらい抜かれてたろ? あれの犯人俺」 祐介:「嘘だろ……! お前、俺がゲーム機買いたくて必死に貯めてたの知ってただろ!」 秀明:「水に流してくれるよな? お前だって、俺の彼女寝とったし」 祐介:「ふざけんな! 今から神社の裏山に来い! 年が開けるまでにお前を始末してやる!」 秀明:「上等だよ、滅多刺しにしてやる!」 【ボイスレコーダーを止める音】 祐介:「ふぅ、我ながら怪演だったわ」 秀明:「あぁ、本当にな」 祐介:「これを俺の弟に、拓也のところまで届けてもらえば完璧」 秀明:「だな。昼間からアイツ埋める穴掘っといたんだよ。いくら人の女と金盗った奴でも、墓くらい用意してやんねーとな」 祐介:「ナイス! 適当にいたぶって、生き埋めにしてやろうぜ」
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!