恵梨(エリー)とテオ大尉とウリエル司厨長

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牧野家に知れたら、それこそ何様。自分の年を考えて言え! と、非難轟々な話しだろうけど、心の中まで嘘はつけない。 こんな、なんにも知らない相手のなにをどう信じてこれから生きていけばいいのか・・。 だから、日本から遠く離れた今でさえ、その想いが毎日携帯のメモ帳の中に日記として増えている。 その時、足元が僅かにふらついた気がした。 時刻は零時を過ぎ、深夜になったからか、デッキに続く通路は常夜灯に変わり、等間隔に灯ってはいるけれど、オレンジ灯は薄暗く、間近に確認出来るのは自分と大介さんだけのようだった。 しかし、雲に隠れた月が現れれば、辺りは一変しキラキラと輝く波間は船旅ならではと言えてただ美しいはずだ。
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