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声劇
「【声劇】はやったことありますか?」と男はいう。
プール「ないです。声劇というのも正直わからなくて、気になっ
て声をかけてみました。」
昔からラジオとか、演劇とかにとても興味があった。だけど、自分とは住む世界の違う物だと疎遠なものと思っていた。俺は度胸が無くて、それなのに放送とか劇とかで表舞台で自分の姿を晒すなんて考えるだけで嘔吐が出そうになる。今にも吐きそうなくらい緊張している。だけどやりたい気持ちもあった。
「ほう、【声劇】と言うのは台本をよんで、役を演じることをいうんだよ。」
「なるほど、アニメみたいな感じですね。」
「そそ、絵のないアニメみたいな認識で大丈夫だと思う。。」
こいつ大丈夫かなー、、という不安な口調で小さく男をそう告げた。
「とりあえずプール君、このサイトにアクセスしてみて」
チャットに書いてあるURLを開く
そうするといろんな声劇の台本があった、こういう台本置き場みたいな隙間産業的なサイトがあることをはじめて知った。どうやらネットには結構いろんな面白いサイトがあるようだ。
「とりあえず今日は男3人に女性一人だから、一番上の台本でいいか」
「じゃあプール君はこの主人公の昴君を演じてみてください」
男は慣れた手つきで進行を進めていった。どうやら結構声劇をやっているような感じだった。
「初めてなんでいろいろおぼつかないと思いますがよろしくおねがいします。」俺は不安そうにそう告げた。内心はとても緊張していた。頭が真っ白になるかと思うほど、なんなら、女の子が聴いている前で下手を打ってはいけない、俺は映画とか結構好きだから。
そういう風に真似して言えばいいんだ。最初だけど俺はとても上手くできるんだ。みんなをびっくりさせるんだって念じ込めた。
「よろしくお願いします。」
ナナと男は口をそろえて言った。
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