7人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
会社の飲み会のテンション
「ど・・・・どうでした?」
恐る恐る尋ねてみた。満足のいっていない出来なのはわかっている。だけど、初めての経験に対しては人はみな褒めてほしいのだ。俺は内心、その答えを求めていた。
「みんなプール君、初めてにしてはうまいほうだと思うよね?」
嬉しかった。お世辞だとしても褒められたら嬉しいもんだ。
「うんうん、上手だったよ、初めての声劇はどうだった?」彼女は聞いてきて
「楽しかったです」ととっさに答えた。
「それはよかった。声劇出来るメンバーが増えるのはとても嬉しい」ととても嬉しそうな声で喜んでいて「結構かっこいい声してたから主人公の昴君の役にしてみたんだよー」とまるで自分の言ってほしかった事を見透かされてるような言葉がストレートに自分に響いた。現実では、女性と話す機会も少なくて、こう女性からウキウキしながら褒められることも少なかったせいか、というか女性というだけでナナのことが好きになっていた。だけど、これは姿が見えないおかげで好印象を得ているかも知れないという疑心暗鬼にも陥った。お互いに姿が見えないのでそうなるのも仕方がないが、声だけ聴いてちょっとギャルっぽい口調の女性に優しくされると男の人は勝手に想像で可愛い子と勘違いをする。
「ありがとうございます。皆様がお上手で俺は足引っ張って申し訳なかったです。」とりあえず丁寧に、好印象。を損なわないようにそういう気持ちも込めて低姿勢で行く。
それからみんなでしばらくたわいもない会話をした。
最初のコメントを投稿しよう!