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ファースト
「じゃあ俺は落ちるわ。」
男は何かを思い出したかのようにそう告げた。パソコンの右下の時計を見てみると22時を過ぎていた。19時から入ってもう3時間ぐらいは経過していた。体感時間的には1時間くらいなのだと思ったが、体感時計はどうやら正確ではないようだ。
「俺もー」と川の流れに沿うようにもう一人もそう答えた。
「ナナは可愛い声してるけど寝落ちのときのいびきものすごいからな(笑)」と男は何かを期待させるような捨て台詞を吐いた。
「もー(笑)」ナナは冗談のような声で怒った素振りを見せる。
それから男2人が退室して、女の人と二人きりになった。
女の子と二人きりだ。ものすごく緊張する........
それから少し沈黙が続いて、ナナが口を開いた。
「ここじゃ、誰かが戻ってくるかもしれないから」
「個人通話で話さない?」
俺は胸に矢と脳裏に電撃が走った。
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