覚えている快感

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「さっきみんなが帰るって言ったとき泣きそうになっていたよ?」 前言撤回、外見は変わったかもしれないけど 春樹は中身は変わっていない。 私が言葉にしなくても 何もかもわかってしまう。 1つ1つの表情や言葉の言い方を見逃さないでいてくれる。 「あっ……」 「どのくらいしていないの?」 左手の薬指の指輪にそっとキスされて そのまま薬指の先を口に入れて舌でそっとなぞられる。 こんなことで感じてしまう自分と セックスレス歴を聞かれている自分に恥ずかしくなる。 何も言えずに首を横に振ると 春樹はもっと私に意地悪をしてきた。 ベッドにそっと押し倒されて 恥ずかしくて前を見れない私の首筋を そっと舌でなぞってきた。 舌先だけでなく、分厚い舌全体をつかったりと 強弱をつけられると私は弱い。 「ふっ…うっ……春樹…」 「相変わらず首弱いよね」 「もうずっと前なのに……覚えていたの?」 「忘れていないよ、気持ちがいいところ。」 私、このまま流されてもいいの? いや、このままじゃ不倫になってしまうのでは……?
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