覚えている快感

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「ん……」 「やっと起きた」 「亮二……痛っ」 「ほら、水」 「ありがと……え?何で、お店?」 誰もお客のいないバーカウンターでうつ伏せで寝ていたらしく、顔をあげると身体のあちこちが痛い。 頭もガンガンに痛いけど…… 「覚えていないだろうな……閉店後、愛莉が自分でこの店に来たんだよ」 「え!?今何時!?」 「7時だよ」 携帯を見ると7時過ぎていて……だけど悲しいのは妻が朝帰りだというのに夫からの着信もラインも何もないことだ。 「朝ごはん食う?」 「ううん……亮二、ごめんね迷惑かけて」 「お前はさ……」 「え?」 「いっつも謝ってばっかだな」 「だって、実際迷惑かけているし……」 「俺は、嬉しかったよ」 「え?」
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