覚えている快感

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「高校の時から、ずっと好きだった、愛莉のこと」 「でも、私と雅人のことを……」 「そうだよ、ずっと応援してきた。愛莉が幸せなら……雅人ならきっと愛莉を幸せにできるからって、自分に言い聞かせてきた」 「亮二……」 「だけど、もう我慢しない。俺は絶対愛莉を幸せにするから」 「でも、私……」 「すぐに離婚できないんだろ?俺は待っているから。だから、考えてほしい。今度2人で出かけよう」 「2人でって……私まだ雅人と……」 「身体の関係を持つわけじゃない。ただ、俺のことを男として意識してこれからを考えてほしいんだ」 「でも、そんなの、亮二にも雅人にも悪いよ」 「プラトニックな恋でもダメ?」 離婚もできない、セックスもできない。 でも、プラトニックな恋なら……? このまま寂しい人生を送るなんて悲しすぎる。 亮二の言う通り、せめて誰かに愛されて、必要とされたい。 恋ぐらい、したい。 一般的にはダメかもしれないけど 今の私は、すがりたいの。
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