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透き通るような白い肌に真っ白な髪、灰色の瞳のこの人物には会うのは初めてだ。
綺麗な男の人だな…。
向こうも僕に気付くと驚いた顔をした後、深々と頭を下げてきた。
「これはこれは王妃様。こんなところでお一人とは……」
「もう戻るところです。貴方は……初めてお会いしますね」
「私は城付きの魔術師のハルと申します。どうぞお見知りおきを……」
差し出された手を握るとその手は吃驚するほど冷たかった。
魔道士……初めて会ったや。
魔法とか使えるんでしょ。
凄いなぁ……。
「お噂はお聞きしておりましたが本当に美しい……。王様が夢中になるのも分かります」
「夢中………ですか?」
ハルさんはにっこりと笑って頷いた。
「レン王は性に奔放な方でしたからね。関係をあちこちで持たれていましたが今は王妃様一筋のようですもの」
ん?
今何て言った?
レンさんがあちこちでエッチしまくってたって言った?
「王様はお上手でしょう?あの方の愛を独占できるとは王妃様が羨ましいです」
笑ってるけど……。
ハルさん顔は笑ってるけど…。
目が笑ってない。
もしかしてハルさんてレンさんのこと……。
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