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アリスとは国の案内をされた時以来会っていない。
あの人懐こくて可愛いドラゴンに無性に会いたかった。
「飛龍は普段は城外の森に居りますので今日会うのは難しいですね」
「あ…そうなんですね。残念です」
残念だ……。
アリスに癒されたかったのに。
「あ……。あの、祭壇の所って行けますか?」
「祭壇………ですか?」
「僕がここに初めて来た時に出てきた場所です!」
シオンさんは「ああ、なるほど」と頷くと僕を祭壇のある別棟の神殿まで案内してくれた。
あの時はレンさんに抱っこされてたけど……けっこう距離があるな。
「シン様、お体は辛くないですか?」
「大丈夫です。運動不足なので少し息は切れますけど……」
シオンさんが神殿の扉を開けるとそこは外の世界と全く異なる神聖な雰囲気のする場所で…。
広いホールの正面に長い階段があって…一番上に石造りの立派な扉が据えられている。
あの扉から出て来たんだ…。
どうしてあの日僕があそこからここに来たんだろう。
たまたま僕のアパートのトイレとあの扉が繋がった……何故なんだ。
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