疑惑

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お風呂から出てもレンさんはまだ戻ってきていなかった。 レンさんの顔が見たい。 ソファに座って本を読みながら待つことにした。 遅いな……。 眠くなってきちゃった……。 僕がウトウトし始めた時、部屋のドアがそっと開いた。 僕がまだ起きていたことにレンさんは驚いた様子で真っ直ぐに僕の座るソファに歩いてきてくれた。 「シン、起きて待っていてくれたのですか?」 「レンさん、おかえりなさい。レンさんの顔が見たくて頑張って起きてました」 ふふっと笑うとレンさんは嬉しそうに僕の頬にキスしてくれた。 「とても嬉しいですけど…貴方は病み上がりなのですから無理をしてはいけませんよ」 「もうすっかり元気ですよ」 レンさんは僕の隣に腰掛けてそっと僕を抱きしめる。 レンさんの香りに包まれると本当に安心するや……。 「そういえば…。あの病が蔓延していた村なのですが、病の進行が止まって皆元気になったそうですよ」 「本当ですか?良かった……」 あの人達がどうなったかずっと気になっていたんだよな。
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