疑惑

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「王妃様に御礼を言いたいと言っていたので今度また会いに行きましょうね」 「はい。またアリスに乗って行きたいです」 僕は何もしていないけど……病気で死ぬ人が少しでも減らせたなら本当に良かった。 「そうそう。船の改造も進んで、試作の船で漁に出たそうです。漁師たちも喜んでいますよ」 「そうなんですね。少しでも皆さんの生活が楽になればいいのですけど…」 レンさんはその後も色々と話してくれて。 レンさんに抱きしめられて低く甘い声を聞いていると……だんだん僕の瞼が落ちてくる。 「シン、眠そうですね。そろそろお休み下さい」 「もう少し……もう少しだけレンさんと…」 もっと話したい。 もっと触れていたいのに。 「また明日話しましょう。さ、おやすみなさい」 レンさんは僕を軽々と抱き上げるとベッドにそっと横たえて布団をかけてくれた。 レンさんがお風呂から出るまで起きていようと思っていたけれど、久しぶりに長く歩いて疲れていた僕はすぐに眠りに落ちてしまったのだった…。
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