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「これはザイン様。それにこちらは……」
「ミア、こちらは王妃様のシン様だ」
ミアさんは驚いた顔をするとすぐに跪いて僕にお辞儀をした。
「シン様、こちらのミアが書物庫の書物を全て管理しております。お読みになりたい本をミアに仰って下さい」
「ミアさん、よろしくお願いします。何か物語の本をいくつかお借りしたいのですが」
ミアさんは跪いたまま頷くと、すぐに立ち上がって奥の本棚に消えていった。
「ミアは少し変わったところのある男ですが…真面目で頭が良くて優秀なのですよ」
「こんなに沢山の本を管理しているなんて凄いです」
ザインさんとそんな話をしているとミアさんが奥から数冊の本を抱えて戻ってきた。
「このあたりが私のオススメです。読みやすいのですぐ読めるのではないでしょうか」
「ありがとうございます。あの…あと、先々代の王妃様について何か資料があれば見せていただきたいのですが……」
ミアさんは目をぱちぱちと瞬かせた後、少し考える様子を見せてまた本棚の奥に消えて行った。
今度はすぐに戻って来ると僕に一冊のノートを手渡してくれた。
「これは先々代の王妃様の持ち物です。何か沢山書かれてあるのですが我々には読むことができません。シン様は同じ天界人ならこれを読めるのではないでしょうか」
パラパラとノートを捲って見ると、別に普通の文字で書かれている。
この世界の文字と同じじゃないか。
「これ……普通の文字だと思うのですが読めないとはどういうことですか?」
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