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「たくさん注いだので溢れてきたのですね。申し訳ありませんでした」
レンさんはベッドから降りると僕を抱き上げてトイレまで運んでくれた。
恥ずかしい…。
ものすごく恥ずかしい!
どろどろになった下着と寝間着は着られないのでシャツだけでトイレから出ると、レンさんがドアの前でにこにこしながら待っていてくれた。
「朝から貴方の可愛らしい格好が見られて幸せです」
「レンさんのせいでこんな格好なんじゃないですか……」
恨めしそうに僕が言うとレンさんは申し訳ありませんと爽やかに笑って、また僕を抱き上げた。
「シン、今日はエリンの診察を受けて貰えますか?」
「エリンの診察………とは?」
「城仕えの産婆で主に城で行われる出産に携わる仕事をしています」
産婆さんてこの世界にも居るんだな。
て言うか、僕が産婆さんの診察を受けても意味ないと思うんだけど。
「どうして僕が産婆さんの診察を受けなくてはならないのですか?」
「中に注いでいますので…。一度きちんと診察を受けておいた方がいいと思うのです」
中に出したって男なら妊娠しないのに。
ああ、そうか。
レンさんはやはり僕が妊娠出来る天界人だという幻想を抱いてるんだな……。
申し訳ないけれどちゃんと診察を受けて『この子は妊娠できません』って言ってもらった方がいいのかもしれない。
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