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「分かりました。診察を受けます」
「良かった…。診察には私も付き添いますね」
レンさん、診察を受けて結果を聞いたらガッカリさせちゃうと思うけど…。
朝食後にそのままエリンさんが居るという塔までレンさんと向かった。
城の西の端にある塔の一階にその部屋はあった。
明るく清潔な部屋の中でエリンさんは僕を待ち構えていたようで、室内に入るとすぐに僕の傍に飛んできた。
「王妃様!ようこそいらっしゃいました。いつ来られるかとずっとお待ちしていました」
エリンさんは桃色の髪の小柄な女性でこの世界の人間らしくとても綺麗だ。
にこにこしながら話しかけてくるエリンさんに僕は好感を抱いた。
「エリン、妻を診察してくれ。妊娠可能か、それとももう妊娠しているのか。呪いを体に受けたこともあるので心配なのだ」
「かしこまりました。では王妃様、こちらの診察室にいらしてくださいね」
エリンさんは僕の手を引くと奥の小部屋に連れていった。
部屋の中央にある小さなベッドにうつ伏せになるよう言われたのでその通りにする。
「代々受け継がれてきたこの検査器具を使える日が来るとは……。本当に嬉しいです」
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