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「記録によれば先々代の王妃様も天界人の男の方でしたが妊娠されていましたよ。産み月の頃に出産を待たずにお亡くなりになってしまいましたが…」
いや、その人は本物の天界人だから!
僕はニセモノだもの。
ただの日本の大学生だもの!
「ただ王様、王妃様は小柄で骨盤も狭くていらっしゃるので出産はお体に相当な負担がかかることをご承知おきください」
「分かった。エリン、世話になったな」
パニックになっている僕を置いて二人が会話をしている。
僕はレンさんに抱き上げられて部屋まで連れて行かれてそっとベッドに横たえられた。
「良い結果で良かったです。お疲れでしょうから今日はゆっくり休んでいてくださいね」
「はい…………」
なんだか悪い夢を見ているようだ。
思えばこの世界に急にやって来たのも夢のような話だし。
そうだ!
先々代の王妃様のノートに何か書いてあるのかもしれない。
そこに天界人とやらのヒントが……。
僕はミアさんにお借りした先々代の王妃様のノートを開いて読み始めた。
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