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『魔術師から子を流す呪いを手に入れた。
あの悪魔の子など産みたくない。
私の息子はあの子だけでいい。
子を流したら今度こそ何とかしてあの子に会いに行こう。
あの子は大きくなっただろうか。
慎太郎、待っていておくれ』
日記はそこで途絶えている。
王妃様はこの後亡くなったのだろう。
日記を読み終えて僕は全身に鳥肌か立っていた。
これはどういうことだ?
王妃様は天界から逃げ出して別世界に逃げてそこで恋に落ちた。
子供も産まれたのに旦那さんは亡くなって、自分は異世界に花嫁として召喚されてしまった。
召喚した王のことは好きになれないのに体を自由にされた挙句妊娠してしまう。
望まぬ出産を拒むために王妃様は魔術師から子を流す呪いを手に入れて…きっとそれを飲んで死んでしまったのだろう。
王妃様の子どもは男の子で、掌に黒子が三つ、名前は慎太郎と言う……それって僕の事じゃないの?
掌の黒子をじっと見つめて日記の内容を思い出す。王妃様は息子のことをものすごく愛していて息子の為に会いに行こうと頑張っていた。
王妃様が僕の……お母さんなの?
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