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その後、何度も日記を読み返してお母さんが残してくれた僕への想いを受け取って…。
お母さんの過酷な運命に涙した。
もしお母さんが生きていれば、大きくなった僕を見て喜んでくれるかな。
お母さんはどうして自分から子を流す呪いを口にしたのだろう。
あれは子供だけじゃなくて飲んだ本人の命も奪うほどの強い呪いだったのに。
お母さんにそれを渡した魔術師は城の中に居た……。
僕にあれを飲ませた者も、まだ城の中に居るのかもしれない。
天界からの花嫁をよく思わない者が、今も昔も居るのだ。
僕も気を付けないと……。
僕が幸せにならないとお母さんもきっと悲しむに違いない。
夕食の時間に今日はレンさんが戻って来てくれた。
「体調は大丈夫ですか?おや……泣いていたのですか?」
「あ、本に……本に感動して泣いちゃいました」
僕の涙の後をレンさんが心配するので、慌てて笑顔を返した。
「また本ですか。僕の妻がこんなに本好きとは知りませんでした。また妬けてしまいます」
「も、もう今日は読み終えました。レンさん、お腹空きました。食堂に行きましょう!」
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