近づく距離

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近づく距離

愛を確かめ合って深めようとレンさんが提案してきてから、毎晩僕はレンさんに体を開かれていた。 指の挿入も少しずつ慣れてきて本数を増やしているところだ。 このままだと確実にセックスすることになりそうだけど……毎日体を重ねていて麻痺してきたのか肌を合わせることは嫌ではない。 「やばいよ…。このままだと身も心も本当に花嫁になっちゃうよ…」 昼間レンさんが執務に行ってしまい一人で部屋にいた僕は溜め息をついた。 部屋のあちこちでレンさんに体を触られているので、どこに居てもレンさんのことを思い出してしまう。 このまま一人で部屋に居たら変な気分になりそうだ…。 シュウは花を届けに来ると言っていたのにあれから一度も姿を見せない。 一人で歩くなとは言われたけど、中庭に様子を見に行ってみようかな…。 僕はそっと部屋から抜け出して廊下を歩いて中庭の方に向かった。 中庭に抜けるガラス扉の前でシュウが居ないか覗いてみたけれど、シュウの姿は見えない。 城のあちこちに移動すると言っていたのでどこか別の場所に居るのだろう。 諦めて部屋に戻ろうとした時、廊下の向こうから真っ白なローブを着た人物が歩いて来るのが見えた。
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