お兄ちゃんだから

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千歳は、マフラーから手を離すと、パチパチとまばたきした。 それから、目元をほころばせると、 「あはっ、バレたか」 と、幸せそうな顔で笑った。 あの「遺言」が、いつまで有効なのかは知らないが、千歳は、芽衣子のことを大事に思っているらしい。 僕は兄ちゃんだから、見守ろう。 だけど本当のことを言うと、芽衣子が、僕じゃなく千歳を選ぶのは、ちょっと残念な気もしている。 それはまあ……、ここだけの秘密ということで。 〜おわり〜
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