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お兄ちゃんだから
「なあ、兄ちゃんってば。聞いてんの?」
すっかり大きくなった千歳が、コタツの中で、僕の足を蹴ってくる。
「ああ、ハイハイ。聞いてるよ。何だっけ」
「だから、蛇のマフラーだよ。これ、どうしたらいいと思う?」
「……じゃあ、僕がもらってあげる」
僕は答えて、その趣味の悪いマフラーを、自分の首に巻きつけた。
「ああっ、ちょっと。ダメ。あげねーよ。俺がもらったんだかんな」
千歳は慌てて、ぐいぐいマフラーを引っ張った。
僕の首がゆるやかに締まる。
「うう、苦しい。やめなさい、返すから。……ねえ、ちい坊」
「何だよ?」
「実は、悩んでるんじゃなくて、自慢してるんでしょう」
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