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蛇は、六十センチほどの大きさで、赤緑の体に、黒の斑模様が入っていた。
逃げるソイツを追いかけて、僕は、木の棒でつつきまわした。
蛇がとぐろを巻き、鎌首をもたげた。
感情の読めない目をして、割れた舌をチョロチョロ出した。
蛇が向かった先に、芽衣子がいた。
「……危ない!」
僕は叫ぶと、芽衣子の細い体を突き飛ばした。
焼けつくような痛み――、
僕は足首をおさえて、うずくまった。
ああ、噛まれた――……ちくしょう。
「美影っ、うそでしょっ。大丈夫?!」
「兄ちゃん!?」
芽衣子と千歳が駆け寄ってくる。
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