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おねぇな美青年おるの憂うつ。
「今日もよく耐え抜いたわ……」
人々が賑わう夜の繁華街に、一人ゾンビのように青白い顔でふらふらと歩く青年の姿があった。
彼の名はおる。道行く人々の視線を集めては目をハートマークにさせている、眼鏡が似合うバイオレンスセクシーなおねぇである。
彼がやつれてフラフラな理由ーーそれは、納期と言う名の悪魔と、過酷な戦場(オフィス)で闘ってきたからである。無事ひと仕事終えたおるが疲れた体で向かったのは、不思議なジンクスがまことしやかにささやかれているbar、アヤセ。おるは密かに、その店のマスターを慕っている。疲れた心と体を癒すため、今宵もまた、静かにbarの扉を開くのだった。
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