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出会い
小学校で私は、いつも一人でいた。
幼稚園初日の入園式の日に受けた恐怖心が、そのまま自分の中から抜けず、これがきっかけで、短大終わるまで周りの子どもたちと接することなく学校に通うことになるとは思ってもいなかった。
ある真夏の夜、私は暑くて寝苦しくて、夜中眠れずにいた。
シーツのまだ自分の体温で熱くなっていない場所へ、ゴロゴロと何度も寝返りを打ったり、うちわであおいだりもしたが、それは無駄な努力だった。
既に窓は網戸になっており、これ以上開けることは出来ない。
我慢できず体を起こし、部屋の窓からしばらく、目の前にある街灯を眺めて、ボーッとしようとしたが、暑くてそれどころではない。
扇風機は無かったのか?
一台しかなかったのか?記憶にはないが弟が自分の部屋に持って行っていたのかもしれない。
それでまた横になり、シーツの冷えた場所を目指してまたゴロゴロし始めた。
「暑い」
あれ?ふと窓の外を見上げた時、目に止まった。
それが彼との出会いだった。
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