かまくらで

1/3
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ

かまくらで

「ん……?」  寝苦しさを感じて身動きする。  少しずつ意識がはっきりしてくると、お香の香りが鼻をついた。 「なんだ?」  重い瞼をこじ開けて見ると、視界いっぱいに白の世界が広がっていた。 「……なんだ? 真っ白じゃん」  ぼんやりとその白い世界に浸っていると、ポクポクと何かを叩く音と呪文のような言葉が聞こえてくる。  一定のリズムになんとなく心地よさを覚えていると、「ううぅ……」と誰かが泣く声が混じり始めた。 「タケル、なんで死んじまったんだよ!」 「えっ?」  俺が死んだ……?
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!