見えない悪意

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 でも、ネットの中の言葉なんて、みんな気にしていないと思っていた。所詮は目に見えない相手の言葉だし、そんな事で傷付くのはテレビの言葉で傷付くようなものだと。  ……そう思っていた。  もし、この言葉を真に受けていたら。  その言葉で、必死にゲームをやって、上手くなるように努力していたら。    長谷川マサルがゲームに没頭して、寝不足になり、事故を起こしたら。  母親が、このゲームの存在に気づいたら。  まさか、そんな訳ないと、思いつつ、今までの織田さんの行動と一致していく。  ゲームチームの名前は、俺だけ名前をそのまま使用していた。みんなは、HASEmaのように少し変えてある。  知らないうちに、手が震えていた。いや、身体全体が震える。パソコンをシャットダウンした俺は、何も考えたくなくて、布団に潜り込んだ。
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