リアル人狼ゲームの始まり

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リアル人狼ゲームの始まり

「ヤバい!!遅れる~!!」 そう言いながら、彼は走った。 彼の名前は本沢(ほんざわ) 瑛太(えいた)。 瑛太はムードメーカー的な存在で、運動神経もいい。クラスの人気者だった。しかし、頭は悪く、サッカーバカだった。 「はぁ、はぁ、ま、間に合った~。」 「瑛太、今日は間に合ったね!!」 そう言ったのは森下(もりした)蒼介(そうすけ)。 蒼介は運動神経は普通だが、頭が良く、とても優しい優等生だった。しかも、顔立ちもいいため、モテモテだった。 そして、瑛太と幼なじみの大親友だった。 2人はまだ高校1年生。入学式から、まだ1ヶ月も経たないが、流石の瑛太はもう皆と友達になっていた。 キーンコーンカーンコーン チャイムが鳴った。 生徒は全員席に着いた。 すると、蒼介はある事を不思議に思った。 いつもなら、担任の先生が来るのだが、今日はなかなか来ないのだ。 「先生は??」 それを聞いて、クラスメイトは教卓を見た。 先生はいなかった。 「あれ?いつもは早いのに…。」 少し疑問に思ったものの、最初はそこまで気にしていなかった。 しかし、先生は全然来る気配がない。 「おかしくない?だって、チャイムが鳴ってから、もう10分も経つよ。」 蒼介はやはりおかしいと感じた。 「先生、休みなんじゃね?」 瑛太はいつも通りのんきに言った。 しかし、皆は真面目な顔をして、瑛太を睨んだ。 「そんな、先生が休みなら、他の先生が来るはずじゃん!!そんなのんきなことを言わないでよ!!」 瑛太は気の強い藤元(ふじもと)彩希(さき)という女子にストレートに言われ、傷ついた。 「とにかく、職員室に行こうよ!!」 やりたがりな彩希が急に仕切りだした。 クラスメイトはそれに戸惑いながらも従った。 「私がドアを開けるから、皆は報告しに行って!!」 彩希はそう言うと、ドアを開けようとした。 しかし、開かない。 「あ、開かないわ。な、なぜなの…。」 彩希は呆然とした。 「て、てことは、俺たち、閉じ込められたってこと!!」 瑛太はやっと今、自分の置かれておる状態を把握した。 「やばいやん!!」 「俺たち、どうなるの?」 「殺される~!!」 教室がザワついた。 「落ち着いてよ!きっと、大丈夫だよ!!だって、仲間が近くにいるじゃん!!友達が近くにいるじゃん!!だから、一旦落ちついてよ!!」 蒼介の声が教室に響いた。 教室は静かになった。 「絶対、大丈夫だから!!」 蒼介は皆を落ち着かせた。 シーンとした中、全員、席に着いた。 その時だった!! 全員のスマホに一通のメールが来たのだ。
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