稀代のロマンティスト

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 今はホンダビートが僕を楽しませてくれている。  ホンダ創業者本田宗一郎の息吹やエキスが注入された最後の車だからなのだろう、古き良きホンダエンジンその物のビ-トの効いたサウンドがミッドシップ故にドライバーズシートの直ぐ後ろからダイレクトに聞こえて来るのだ。  そして7000回転以上回すと、F1譲りの3連スロットルが採用されていることもあり古き良きホンダF1マシンの如き痺れるようなエンジンの快音と猛々しいエキゾーストノートを社外マフラーから奏でてくれて僕を愈々以てロマンへといざない、ホンダにF1初勝利の栄冠を齎したRA272を駆る名ドライバー、リッチー・ギンサーになった気分にさせてくれるのだ。  
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