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1.双子
どんなことがあったって、信じられる家族と魔法。
私には双子の姉がいる。
双子なのに、顔はぜんぜん違う。
私はとても平凡で、描来(かけら)はボーイッシュなイケメン。
「美嗚(みお)もイケメンになりたい!」
今でもよく言う口癖。言う度、描来は困り顔。
何年前だったか忘れたけど、髪をめっちゃショートにしたことがある。
「!?」
立ったまま、お風呂場の鏡を見ながら、チョキチョキと髪を切っていた。
描来の気配に気づき、振り返った時、あまりにびっくりされたから、なぜか涙がこみあげた。
「……描来と同じにならない」
美容院にも行かず、家のハサミで切ったからバラバラだし、学校でなにかあったのかと、しつこく描来に聞かれた。
その後、描来が髪を切り揃えてくれて、手を繋ぎ、一緒にお風呂に入った。
うつむく私の顔を覗き込み、コツンと額を合わせてくる。
「悩んだら、まず相談な!」
見つめ合う、ふたりの瞳は揺れて、愛しくて切なかった。
抱きつきたい衝動をおさえて、キュッと目を細めた。
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