5.一生秘密

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5.一生秘密

黒のブレザーに青いリボン、短いスカートヒラヒラ。 ついに中学生デビュー。 なのに私達は、手を繋ぎ登校中。 「相変わらず仲良しですね」 後ろから声をかけられ振り向けば、クールビューティーな眼鏡の幼馴染の駆くんだ。 黒のブレザーがめっちゃ似合う。 私なんかより、描来と駆くんの方が、よっぽど双子っぽい、整った顔立ち。 「あ、おはよ! 駆くん」 「おはようございます。美嗚さん」 「僕にはないの? 駆」 「照れ隠しですよ。わかるでしょう……?」 実はこのふたり、付き合ってる。 駆くんと描来は、私の前じゃこんな感じ。 だけど反対はしない。 このふたりならいっかって、思える自分がいるから。 ふたりは前世で知り合ったらしい。 駆くんには記憶がなくて、描来には記憶がある。 でも、駆くんの方から、描来に告白したらしい。 しばらく悩んでいたけど、結局OKしたのだ。 (……いいなぁ) 口に出して言いたいけど、言ったら壊れるような予感。 一生、胸の中に、黙っているんだと思う。
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