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7.駆様
「ごめん! 美嗚」
クラスは私が1-A、ふたりが1-C。別れてしまった。
たったそれだけのことなのに、拝むように謝ってくる。
「これは仕方ないよ」
「休み時間は一緒にいる!」
ギリギリまで、ふたりは1-Aにいてくれた。
チャイム音が鳴って、ふたりが去っていくと、なんだか、どっと疲れてしまう。
「ねぇキミ」
「……?」
右隣から突然、低音ボイスが聞えて、私あてじゃないかもなのに、なんだろうと目を向ける。
「駆様とは、どういう関係?」
☆
低音ボイスの少年は、少年というより大人っぽい青年といった感じだった。
「オレ、刃兎。刀に兎って書いて、はう」
顔は狐みたいで、私と同じ長さの髪。
「キミの名前は?」
「あ……。私、美嗚……です。刃兎くん」
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