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8.殺した相手
それから体育館で、校長先生のお話とか、みんなで校歌歌ったりとか、色々、とにかく色々あって、終わって教室に戻って、チャイムが鳴って、少し休憩。
「美嗚! どうした!?」
窓際の一番後ろ、それが私の席だった。そこまで、駆けてくる描来。
「え? なにも、どうもしないけど……」
なにも言ってないのに、おかしな行動してない筈なのに、なぜ、わかってしまうんだろう。
「よっ! 駆様」
描来の後を追いかけて、1-Aまでやってきた駆くんは、刃兎くんを見るなり、うげって顔。
「……あなたも1-Aですか……」
「あなたもって、やっぱ知り合い? 美嗚様と」
いきなり様付きで呼ばれて、えって二度見してしまう。
「あの……私……」
リスが首を傾げるように、不思議そうに見つめてくる。刃兎くんに悪気はなそうで。
でも様付きはやっぱり、なんかそわそわしちゃうわけで。
「で、どっちがそう?」
私と描来を見比べる刃兎くんの目が鋭くなる。
「……なんのことです?」
なぜかわからない。ただ、異様に居心地が悪い事だけはわかる。
「お前を殺した相手だよ」
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