守ってあげたい

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********** ……緊張……するな……。 多分普通の状況でも緊張してたと思う。 それなのに、今、私は良太郎と体と心が入れ替わっている。 いつもより視界が高いことに戸惑い、横に寄り添って歩く私の姿に戸惑う。 ウェディングドレスを着て、綺麗にメイクをしてもらって、鏡の中の自分を見つめ、何だか感極まって目を瞑ったら、次に目を開けると良太郎になっていた。 訳が分からないよ……。 パニックになって大泣きしたかったけど、自分の姿が良太郎だということを自覚して、かろうじて踏みとどまった。 だって良太郎の姿で大泣きしちゃうって……。 良太郎のイメージが壊れちゃう。 良太郎はすごく頼りがいのある人で、いつも私を守ってくれてた。 優しくて、明るくて、でも男気があって。 私が相手でいいのかなと思うくらい、素敵な人なんだ。 プロポーズはうれしかった。 即、承諾した。 俺が一生守ってやるって言ってくれた。 うれしかった。 うれしかったんだけど、これでいいのかなって不安にも思った。 今日の結婚式には、家族も友人も、そして良太郎の会社の人たちも来てくれている。 私が何かヘマしたら、見た目は良太郎がヘマをしたことになっちゃう。 そんなの申し訳なさすぎるよ。 だから私はなりきらなきゃいけない。 カッコいい、頼りがいのある良太郎として結婚式を乗り切らないといけないんだ。
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