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「……なんだ、私と一緒じゃん」
足を止めた私に気付かずにずんずんと先へ進む涼子の背中を目で追いながら、小さく呟いた。
そして、遠ざかる涼子に駆け寄り、その背中に飛びつく。
「待ってよ、歩きづらいんだから、もっとゆっくり歩いてよー」
「そんな高いヒール履いてくるのが悪いよ」
「ね、疲れたからどっかカフェに行こうよ」
「いいね、何か甘いもの食べよ」
多分、私はこれからも頭の中で涼子の首を絞める。
春はストール、夏は素手で。
私たちの願い通り、これからもずっと隣同士で人生を歩んでいくのだとしても、それは変わらない。
首を絞めて、泣いて笑って、それをずっと繰り返す。そうやって私達の友情は続いていくのだ。
アンバランスだけど、細くしなやかに続いていく。
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